灰色

焦ったって何もいいことない。
ただ今のあたしを一生懸命生きる事しかあたしにはできないんだから。

素敵な人達と出会った。
あたしよりも何歩か前を歩いてる人たち。

「俺らだって来た道の事は言えるけど、これから先の道は霧がかかったように不確かで、毎日手探りで進んでる」

「大切な事は今与えられた課題だけはしっかりやって、後は心配せずに遊べばいい。」

先の事を見ようとして、失敗しないようにいつも万全な対策をして生きてきた。
だからあたしは失敗した事がないし、スムーズに生きてきた。
「今のうちからやっておけば後が楽」
そんな感じで、まるでマラソンのように、ゴールまでペース配分をしながらも走り続ける。
そんな風に生きてきた。
でも生きていくのに必要な技術はマラソンだけじゃないんだ。
あたしに必要なモノー
それはスポンジ。
あたしはスポンジのようにふゅにゃっと迫ってくる現実の隙間にフィットしなくちゃいけない。

世の中決して二つには分かれない。
正解か間違いか。
やるかやらないか。
白か黒か。
そんな風にわかりやすいモノじゃないんだ。
きっとあたしは正解でもあるし間違いでもある答えを受け入れなくてはならないだろうし、やってるようなやってないような中途半端な状況も体験しなくてはならないいだろうし、白でもない黒でもない灰色を作らなくてはならないんだろ。
日本人でもアメリカ人でもない。
そんな状況の中で作られた「あたし」という新たなモノを受け入れて誇りをもって生きて行かなくちゃ。

「私は日本人でもないし、アメリカ人でもないの。私は私よ。-放課後の音符-」